数式
●数式の読み方
数式をどう読むか、でまず参照するのはJEIの「日本語エスペラント辞典」の付録だろう。
そのままではいささか問題があるので、数を変えたりして書いて見よう。
- 足し算:
特に式ということを意識せずに読むなら: Ducent kaj tridek estas ducent tridek.
式らしく読むなら: Ducent plus tridek egalas ducent tridek.
- 引き算:
文法的に言うと最初のminusは接続詞、次のは副詞:Kvar minus kvin egalas minus unu.
- 掛け算:
特に式ということを意識せずに読むなら: Trioble sesono estas duono.
式らしく読むなら、掛け算記号を独立させて: Tri oble sesono egalas duono.
- 割り算:
余りが出るようにした: Tridek dividite de sep estas kvar, restas du.
- 複雑な分数:
分数接尾辞-onでは手が出ない、あるいは誤解されるようなもの。日本語と違って、分子を先に言う: dudek du super sep.
- 階乗と平方根:
Tri potence du egalas duapotenca radiko de okdek unu egalas naŭ.
- 不等式:
"Po" estas pli granda ol "ku".
- 方程式と解
Solvu jenan ekvacion: 次の式を解け
"A" "ikso" potence du plus "b" "ipsilono" plus "co" egalas nul.
La solvoj estas: 解は である。
"Ikso" estas minus bo plus aŭ minus kvadrata radiko de bo potence du minus kvar "a" "co", ĉio sur du "a".
●式と文章の類似
ところで足し算とか、不等式の例を見ると、これはごくふつうのエスペラント文の形であることに気付く。たどえば、La pomo estas pli granda ol la oranĝo. (そのリンゴはそのミカンより大きい)。
ところが、日本語で不等式を読もうとすると「p大なりq」という日常とは変わった文になる。日常の文なら「pはqより大きい」であり、これを式にしたてると 「 p q > 」という順になるはずである。このことから、数式の今の形というのは、(エスペラントもその流れをくむ)ヨーロッパの言語の語順に影響されていることがわかる。
P.S. ここの数式はhatenaダイアリーのTEX記法によった。
P.P.S. 「数式2(微積分)」に続く。