数式

数式の読み方

数式をどう読むか、でまず参照するのはJEIの「日本語エスペラント辞典」の付録だろう。
そのままではいささか問題があるので、数を変えたりして書いて見よう。

  • 足し算: 200 + 30 = 230

 特に式ということを意識せずに読むなら: Ducent kaj tridek estas ducent tridek.
 式らしく読むなら: Ducent plus tridek egalas ducent tridek.

  • 引き算: 4 - 5 = -1

文法的に言うと最初のminusは接続詞、次のは副詞:Kvar minus kvin egalas minus unu.

  • 掛け算: 3 \times \frac{1}{6} = \frac{1}{2}

特に式ということを意識せずに読むなら: Trioble sesono estas duono.
式らしく読むなら、掛け算記号を独立させて: Tri oble sesono egalas duono.

  • 割り算: 30 \div 7 = 4 ... 2

余りが出るようにした: Tridek dividite de sep estas kvar, restas du.

  • 複雑な分数: \frac{22}{7}

分数接尾辞-onでは手が出ない、あるいは誤解されるようなもの。日本語と違って、分子を先に言う: dudek du super sep.

Tri potence du egalas duapotenca radiko de okdek unu egalas naŭ.

  • 不等式:  p \gt q

 "Po" estas pli granda ol "ku". 

  • 方程式と解

Solvu jenan ekvacion: 次の式を解け ax^2 + by + c = 0
 "A" "ikso" potence du plus "b" "ipsilono" plus "co" egalas nul.
La solvoj estas: 解は x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a} である。
"Ikso" estas minus bo plus aŭ minus kvadrata radiko de bo potence du minus kvar "a" "co", ĉio sur du "a".

式と文章の類似

ところで足し算とか、不等式の例を見ると、これはごくふつうのエスペラント文の形であることに気付く。たどえば、La pomo estas pli granda ol la oranĝo. (そのリンゴはそのミカンより大きい)。
ところが、日本語で不等式を読もうとすると「p大なりq」という日常とは変わった文になる。日常の文なら「pはqより大きい」であり、これを式にしたてると 「 p q > 」という順になるはずである。このことから、数式の今の形というのは、(エスペラントもその流れをくむ)ヨーロッパの言語の語順に影響されていることがわかる。

P.S. ここの数式はhatenaダイアリーのTEX記法によった。

P.P.S. 「数式2(微積分)」に続く。