文学座の劇「エスペラント」と賢治の詩

 今年の3月25日〜4月9日に、東京都の信濃町にある文学座アトリエという小劇場で、文学座の劇「エスペラント」が上演される。この公演案内のページはここ。これについて、日本エスペラント学会の掲示板を見ると、同学会の会員は入場料が割引になることが書いてある。しかし、上記の公演案内を見ても、どうエスペラントが関わるのかが分からない。
 そこで、私が、公開できる範囲でその関わりを述べてみる。案内にあるように、修学旅行の宿屋が舞台だが、そこには宮沢賢治の原作エスペラント詩「企てと無」がはってあり、その1、2行と、それ以外のエスペラントのせりふが少し劇に出てくることになっている。
 ところで、賢治のエスペラント詩にはほとんどその原型となる日本語の詩が知られているが、この「企てと無」(原題:"projekto kaj malesto")だけは、原型がしられていない。したがって、日本語を知る人間は、他の人の訳によってこれを把握していることになる。この公演では、宮本正男訳を用いている。
 私がここまで知ることになったのは、都内のあるエスペランチストが、私のことを「企てと無」で検索して連絡をとってくださったことによる。私のサイト内の賢治のページには、私の訳によりこの詩が載せてある。
 また、興味のある方は、拙訳「雨ニモ負ケズ」をごらんください。