狂言=noa komedio
狂言は、能楽(noo)の幕間から発して独自の発展をとげた。このエスペラント表現にはkjogenoを推す人もいたが、島谷剛(しまたに・たけし)はこれを noa komedio(直訳すれば「能の喜劇」)としていくつかの作品を翻訳し、仲間とともに公演もしてきた。その成果は2001年には『Kyôgen, Noaj Komedioj, エスペラント狂言』という書籍として10編を収めて発行された。ウェブサイトには、その後の作品も含めて十数編が"Noaj Komedioj en Esperanto kaj la japana"として解説付き・対訳で載っている。また、4編については、録音ファイルも公開されている*1。
狂言にはいくつかの定型表現があるので、どう訳されているか、引用したい。
- 主 mastro
- 太郎冠者 Tarôkazya
である。なお、日本語部分は、原文よりかなを多くし、新仮名とした。
- やい、やい、太郎冠者あるか。
- Tarôkazya, kie vi estas?
- はあ、おまえにおります。
- Jen Antaŭ vi.
- かならずぬかるな。
- Ne fuŝu la aferon!
- 心得ました。
- Certe ne!
- やるまいぞ、やるまいぞ。
- Mi ne pardonos vin!
*1:私の好みとしては、録音を聞くボタンは作品ページ内にあり、テキストを読みながら聞けるとよい。また、今後、録画の公開も期待したい。