海渡英祐氏へジグソーパズルを貸した人

 推理作家で、1967年に江戸川乱歩賞を受賞した海渡英祐(かいと・えいすけ)氏に関連することである。なお、氏は、1934年東京生まれで、本名を広江純一という。
 海渡氏には1985年の徳間ノベルスに「趣味の犯罪 華麗な殺し」という短編集があり、その中に『情事のパズル』というジグソーパズルをテーマにした短編がある。これには前書きがついていて、次のことが語られている。

複雑な形でピースの数も多い、本格的なジグソー・パズルに初めてお眼にかかったのは、高校生のときだった。エスペラント普及のために作られた、いま思えばかなりの珍品で、近所の人が貸してくれたのである。

 さて、この「近所の人」はどなただろう。時期にすると、1950年〜1952年ごろのお話と思う。海渡氏より年上であろう。