1917年4月14日、ザメンホフ没す

 今から89年前、まだ世界大戦さなかのワルシャワの一角で、かねてから心臓をわずらっていたL.L.ザメンホフエスペラント創始者)が亡くなった。書斎の机の上には4ページの書き物が残されていたという。その最後のところ:

  • Mi eksentis, ke eble morto ne estas malapero...;
    • 死は消滅ではないかもしれない、と感じ始めた。。。
  • ke ekzistas iaj leĝoj en la naturo...;
    • 自然には法則といえるものがあるようだ。。。
  • ke io min gardas al alta celo...
    • 何かがわたしを高い目的へと守ってくれている。。。

P.S. 子供向けザメンホフ伝「希望する人」がネットで読める

あめ玉、ボンボン=bombono

 あるいはキャンデーとよんでもよいのだろうが、エスペラントではbombono である。実は語源はフランス語などで bon, つまり bona/うまい、を2個重ねたものらしい。よってフランス語ではbonbon である。エスペラントでは、ザメンホフ時代からbombono であるが、これは bonbono とすると「良い上に良い」といった合成語となってしまう(既にplenplena/あふれんほどに一杯、といった合成語がある)のを避けたからのようだ。
 この派生語にbombonujo /ボンボン入れ、キャンデー容器、というのがある。これには、フランス語からはいった「ボンボニエール(bonbonniere)」というのがあって、たまにニュースになる。皇室関係者の結婚の引き出物に使われるからである。
 karamelbombono がキャラメル。これは karamelo だけでは「カラメル」という、シロップ状のものをさし、bombono をつけて、あめ玉としてなめる小さな粒になったもの。

くも膜下の=subaraknoida

頭には、どうやら、kranio / 頭蓋骨 と cerbo / 脳との間には3つの membrano / 膜があって、外側から順に

    • duramatro / 硬膜
    • araknoido / くも膜
    • piamatro / 軟膜

という。そのくも膜の下、つまり軟膜との間に出血するのが subaraknoida hemoragio / くも膜下出血らしい。もうれつな頭痛を伴う、危険な症状とのことである。
 ところで、「くも膜」とは、見た目が「araneo / くも」の巣を連想させるのでついた名前だ。エスペラントでは「くも」の方はaraneo だが、語源となったギリシャ語ではarakneといってk音が入り、医学用語はそのk音が残っている。そういえば、映画ハリーポッターで、くもをあやつる呪文が「アラクネー」といったような音だった。

「人力検索はてな」で回答

 このブログを運営している「はてな」には、「人力検索はてな」というサービスがある。いろいろと質問を出す人がいて(はてなポイントというものを払う)、それに有志が答えるものだ。ここに、http://q.hatena.ne.jp/1144674218で、マイナーなイベントがあったら教えてほしい、というのがあったので、われらが世界エスペラント大会を答えておいた。くやしいが、マイナーであることにはかわりがない。

連休の南アフリカ大会と宿舎

まもなくエスペラント大会が。。。

 Respubliko de Sud-Afriko / 南アフリカ共和国のKaburbo / ケープタウンで、今年の4月27日から5月1日まで、3a Sudafrika Subkontinenta Kongreseto / 第3回南アフリカ亜大陸エスペラント)大会が開かれる。Subkontinento / 亜大陸というのは、単に南ア共和国ではなく、南部アフリカ一体ということだろうが、実際他にどこの国から参加があるのかは分からない。ちなみに4月27日はTago de Libereco /自由の日といって、1994年に黒人も含めての総選挙があった日だそうで、ここでNelson Mandela / ネルソン・マンデラ政権が誕生した。そして5月1日はTago de laboristoj / 労働者の日、いわゆるメーデーである。そして、この時期は、南半球にあるこの地方にあっては、夏の終わりの時期らしい。休暇の最後の時期であろうか。

宿泊は。。。

 これだけ長期間だと、どんなところに泊まるのだろうか。La 2a Informilo / 大会第2報にある宿舎案内をのぞいてみる。もっとも安いのはtendo / テント持込みで、tendumejo / キャンプ場には necesejo / トイレ、lavejo / 洗い場あり。それより高いと、dometo / 小屋、ロッジを借りるらしい。たとえば、4人入る小屋は、次のようで、部屋ごとの予約もできるが、小屋として借りると1泊320ランドというから、6〜7千円だろうか。

  • La domo havas 2 dormĉambrojn, unu kun duobla lito kaj unu kun du unupersonaj litoj.
    • 2部屋あって、1部屋はダブルベッド、1部屋はシングルベッド2つ。
  • Bano kaj duŝo; aparta necesejo.
    • 風呂・シャワー付き。トイレ別。
  • Estas vivĉambro (kiu nokte estus plia dormĉambro) kaj teraso
  • kuirejeto kun kuiriloj kaj manĝiloj, fridujo, mikro-ondo*1, bakforno kaj kuirplatoj
    • 小キッチンで調理道具、食器、冷蔵庫、電子レンジ、オーブンとクッキングプレート付き。

*1:こう書いてあったが、正しくはmikro-onda forno, マイクロウェーブ・オーブンのことだろう。これが日本で言う「電子レンジ」

八ヶ岳エスペラント館

 世界のエスペラントの定点からで、3月5日のフランスの次。。。
 財団法人日本エスペラント学会(JEI)は、山梨県北杜市に、十数名が泊まれる宿泊研修施設を持っている。八ヶ岳エスペラント館という。簡単な案内はこのページ。冬には「冬眠」していて、今年は4月15日に開館する。今年の案内はこのページ。ここには実に「ジグソーパズル」というページも入っていた。なんでも八ヶ岳の写真などがパソコン画面でばらばらになったのをマウスで並べるゲームらしい。それから、エス文の案内は、少し昔のだが、ここにある
 わたしのささやかな夢は、八ヶ岳エスペラント館開館25周年・日本エスペラント学会創立100周年という記念行事(2019年)に元気で出席できること。

果物でbero(液果、ベリー)とは?

beroがつく果物

 果物の種類にberoとつくのがある。英語のberryにあたるようだが、後ろにこの語がつくかどうかで違いがある:エス/英/和の順序で、

    • vinbero / grape / ぶどう
    • frago / strawberry / いちご

 ・・・などと思って調べだしたら、実はbero = berryの定義が「botaniko/植物学」と「kuirarto/料理」で違うということが分かってきた。

botanike/植物学では

 bero = berry は「液果(えきか)」と訳すようだ。perikarpo/果皮の水分が多く、子房と種子からなるもので、vinbero/ぶどう、oranĝo/みかん、tomato/トマトなどを含む。この分類ではfrago/いちごはtoruso/花床が発達したものだから、「液果」の意味のberoではない。

kuirarte/料理分野では

 トマトやみかんは入らない。bero = berry は 日本語には適当な用語が無いが、最近では「ベリー」で通じる、小さな実の果実である。ここではぶどうもいちごも「ベリー」の仲間である。他の仲間は:

    • frambo / raspberry / ラズベリー、西洋きいちご
    • groso / gooseberry / グースベリー、西洋すぐり
    • mirtelo / blueberry / ブルーベリー